バリは潮の動きが大きい
バリ島は潮の動きが大きく、大潮の日は干潮と満潮の差が3メートル近くになることもある。
そんな大潮の日にウルワツに入っていた。潮は上げに向かっている。
それまでちょこちょこ乗れていたのだが、満潮に近づくとぱったり乗れなくなった。波が割れにくく一気にドカンと割れる。こうなると僕には手に負えない。
もう充分やったので上がることにした。
いつも上がる時はピークの一番奥からライト方向に乗り、スープに乗って岸へ向かう。
岸の前にはコーナー方向に流れがあるので、なるべく右の方を目指し流されながら洞窟に入る。
いつものように洞窟に入ると、潮が上げ過ぎて恐ろしいことになっていた。

洞窟の中が恐ろしいことに
打ち寄せる波が周りの岩に荒々しく砕け散っている。その波に押されて岩が目前に迫りくる。不思議と岩に叩きつけられることはないが、恐ろしい。しかも深くて足がつかない。
なんとか洞窟の奥までパドリングして足がつくまでもう少しという所で、今度は引き波に一気に引っ張られる。すごろくで言えばゴール目前の「振り出しに戻る」状態だ。
そんなことを何回も繰り返し、恐ろしい光景に怯え続ける。
ようやく足がつき上陸できた時は、すっかり消耗しきっていた。もうウルワツの満潮はこりごりである。