なぜ前足荷重?
僕の場合、20代で始めたサーフィンは40代になってもなかなか上達しなかった。サーフィンに対する情熱や上手くなりたいと言う気持ちは強いのだけれど、結果が伴わない状態だ。
そして50代になって、ようやく上達しない原因を解明した。それは前足荷重でサーフィンしていたからだ。
前足荷重でサーフィンするようになったのは、初心者の頃に読み漁った HOW TO本の影響である。スピードを出すためには前足荷重にしなさいと書かれていたので、これを忠実に守ってきた。そして前足荷重のサーフィンが体に染み付いた。
前足荷重でスピードが出るのは波に押される力を利用するからだ。
バリのローカルは前足荷重でスピードを出すようなサーフィンはしない。後ろ足を軸に自ら動くことでスピードを生み出す。そして波に押されるより遥かに速いスピードに到達する。
僕がやっていた波に押されるのを待つような鈍臭いサーフィンとは大違いだ。

呪縛から解き放たれた時・・・
今ならわかるが、前足荷重のサーフィンには様々なデメリットがある。
まず、足がガチガチになってしまい伸び伸び動くことができない。自らがんじがらめの状態に縛りつけているようなものだ。
それからターンの小回りが利かない。前足荷重でボトムターンしたらトップに上がる頃にはパワーゾーンから外れてしまう。更にトップではスパンとボードを返せない。
また、ボリュームを落としたハイパフォーマンスボードではノーズが沈みがちになり、かえって失速してしまう。
他にも僕がそうだったように、鈍臭くてカッコ悪いなどデメリットだらけだ。
とは言え、長年体に染み付いた前足荷重は簡単には直せなかった。
前足荷重にならないための方法をあれこれ考えては試行錯誤を繰り返し、数年掛かりでようやく直すことができた。
そして前足荷重の呪縛から解き放たれた時、停滞していたサーフィンが上達し始めた。がんじがらめだった体が自由に動かせるようになり、サーフィンの面白さが倍増したのである。