経験から学んだこと
スウェルがある時のバリは、お決まりのお化けセットがやって来る。
ひと際大きなうねりが見えたら必死にアウトへ逃げる。それでも間に合わず、目の前で大波が割れてしまうことがある。
そんな時はドルフィンスルーは通用しない。むしろ、ボードごと持って行かれて危険だ。僕もボードを掴んだまま巻かれて、肩を痛めたことがある。
日本ではそういう経験は滅多になかったが、バリではよくあることだ。その経験から大波の安全な喰らい方がわかってきた。
目の前で割れた波を見て、これは無理だと判断したらドルフィンスルーはしない。ボードを体から離し単独で潜るのだが、その方法によって危険度が左右される。

ボードはリーシュを巻いてる側に離す
まずボードの離し方だが、僕は レギュラーフッターなので必ず自分の右側に離す。もし反対側だとリーシュが体に絡まる危険がある。リーシュが体に絡まってボードを持っていかれると、肉を引き千切らんばかりにギューっと締め付けられる。これも痛い目に遭って学んだことだ。
そして潜る寸前にボードを横に向けてスーっと押し出してやる。
沖に向かってキレイに潜り仰向けで浮上する
潜り方は沖に向かって頭から潜り、水泳選手の飛び込みのようにキレイなフォームを水中で維持する。そうすることで抵抗が減り巻かれるリスクも減る。人魚になった気分で潜ると良い。
浮上する方法も重要で、浮き上がる前に体を反転させ仰向けで浮上する。これで浮き上がってすぐに息を吸うことができる。
それと同時に足首からリーシュを掴み、リーシュを引っ張ってボードを引き寄せる。ここでもたついていると次の波を喰らう危険が高まるので、素早くボードを引き寄せたい。
リーシュを巻いてる側にボードを引き寄せ乗り込む
引き寄せたボードを沖に向けて乗り込むのだが、乗り込み方によって危険度が増す場合がある。
レギュラーフッターの場合、必ずボードを自分の右側にしてボードの左側から乗り込む。この時に初めて沖を見ることになるので、次の波が目の前で割れ再び単独で潜る場合がある。もし反対側にボードがあるとリーシュが体に絡まる危険があるのだ。
その時になったらこれらの方法を思い出してる余裕はないので、普段からクセをつけておくと良い。
慣れれば大波を喰らう恐怖心も軽減できる。ただし、離したボードが他人に当たらないように注意が必要だ。