割れそうで割れない波
切り立ったうねりが割れそうで割れない時、波に置いていかれることがある。
テイクオフが早いボードに乗っていた頃はうねりから乗ることもできたが、ハイパフォーマンスボードでは波が割れなければ乗れない。
乗りに行った波に乗れないのは恥ずかしいばかりか、周りのサーファーにとっては迷惑行為だ。だから割れそうで割れない波にも乗れるようになりたい。
バリのローカルは波が割れるまでパドルダッシュを続け、かなりインサイドまで追い掛けても必ず乗る。しかし50代半ばの僕には、割れるまでパドルダッシュを続けるのは体力的にキツい。そこでバタ足を使ったらどうだろうと考えた。
僕には五十肩の頃に培ったバタ足という武器がある。これにノーズを落とし込む手の着き方を組み合わせればイケるような気がする。

武器を手に入れた
実際に割れそうで割れない波の日に試してみた。
波を引きつけ、波に押されるタイミングでパドルダッシュを掛ける。そして手を着く前にバタ足を開始する。バシャバシャと水しぶきを上げるバタ足ではなく、ジョボジョボと小刻みに動かすバタ足だ。
手を着いて腕を伸ばす時にノーズが上がってしまうと置いていかれるので、指先を真っ直ぐ前に向け指に荷重してノーズを押さえる。この状態でバタ足を続ける。
波がなかなか割れなくても置いていかれることはない。そして最終的にボードが滑り出し、波に乗ることができた。
この方法は、はたから見たら奇妙でカッコ悪いかもしれない。でも体力的に楽だし、乗り損ねるよりは遥かに良い。
これで割れそうで割れない波を強引に乗るという武器を手に入れた。