腰を低く構えるサーフィンには、さまざまなデメリットがある。僕には20年くらい続けてきた腰を低く構えるサーフィンを数年掛かりで改善した経緯があるので、そのデメリットがよくわかる。
なにより、サーフィンの上達を妨げる一番の原因になっていた。

ガチガチになってしまう
まず決定的なデメリットとして、体がガチガチになってしまうことだ。
腰を低くすると必然的に太ももに力が入る。常に太ももに力が入っていると、体の動きが制限されることになる。本来なら自由自在に動けるはずなのに、自ら体を縛り付けているようなものだ。
その結果、ガチガチで動きの小さいサーフィンになってしまう。
荷重がボードに伝わらない
それから、荷重がボードにダイレクトに伝わらないデメリットもある。
深く曲がった膝がクッションのように荷重を吸収してしまい、更に前かがみになることで腰が引け、曲がった腰でも荷重を吸収してしまう。
ボードに荷重が伝わらなければスピードを出すのは難しく、ターンの途中で失速することもある。
後ろ足を軸に乗れない
更に、前足荷重になりがちで後ろ足を軸に乗れないのもデメリットだ。
昔読んだ HOW TO 本にはスピードを出すために前足荷重にしようと書いてあったが、それでは波に押されるスピードしか得られない。特にボリュームを落としたハイパフォーマンスボードでは、前足荷重にするとブレーキが掛かったかのように失速してしまう。後ろ足を軸に乗りテールを踏むことでドライブの効いた加速が得られる。
ボードを自由に動かすためにも、後ろ足を軸に乗ることが重要だ。それに前足荷重では上達できないことを、僕は身を持って経験してきている。
華やかに見えない
そして、サーフィンの見栄えにも大きく影響を及ぼす。
他のスポーツでは腰を低く構えるのは守備側である。野球でもテニスでもバレーでもバスケットでも、腰を低く構えるのは守備側の選手の基本姿勢だ。
一方、攻撃側の選手は腰が高い。そして、どのスポーツでも華やかなのは攻撃側の選手だ。
サーフィンでも腰が高いサーファーの方がターンが華やかに見える。好みの問題かもしれないが、僕はそういうサーフィンに憧れている。