カビは生えないのか?
バリ島に移住してから納豆は自分で作るようになった。バリ島産のオーガニック大豆を圧力鍋で蒸して作るこだわりの納豆だ。
味噌も作れると知ったが、作り方を調べると常温で3か月寝かすとなっている。バリでそんなことしたらカビが生えるだろうと思い、作るのをあきらめパパイヤで1kg入り55000ルピアと割高な味噌を買っていた。
ある時、冷蔵庫の奥から賞味期限を2年過ぎた200g入りの麹が出てきた。甘酒を作ろうと思い日本から持ち込んだモノだ。
もう甘酒はどうでも良くなっていたので、試しに味噌を作ってみることにした。
1回の味噌作りで麹200gを使い切ったら先がないので、まずは麹を増やす。
米200gを蒸して麹25gを混ぜ30℃以上をキープすると、2日後には約250gの麹が完成した。
つまり200gの麹を2kgに増やせるわけで、更に完成した麹を増やせば・・・数年分は使えそうだ。
味噌作りに使う大豆は、やはりバリ島産のオーガニック大豆だ。250gの大豆を一晩水で戻し、圧力鍋で20分煮て水気を切り潰す。これに麹250gと塩100gを混ぜ、ビニール袋に入れて常温で寝かす。
カビが生えないように空気を抜いて口を縛るが、発酵には空気も必要なので、たまに空気に触れさせるように混ぜる。

市販の味噌より美味しい
2週間後に味見をしてみると、まだ馴染んでいないようで塩の味が残ってる。
そして1か月後、カビが生えることもなく完全に味噌になっていた。しかも市販の味噌より美味しい。
自分で作ったから美味しく感じるのもあるだろうけど、この美味しさには心当たりがある。それは使った塩だ。
バリ島の東海岸にクサンバという村があって、そこで作ってる天然塩はとても旨味があり日本人にも人気だ。このクサンバの塩を使ったから美味しい味噌が出来たのだと思う。
大量生産される市販の味噌は、そんな良い塩は使ってないだろう。
それに自家製味噌の良いところは、配合によって好みの味に変えることができる。今では大豆の乾燥重量に対し麹を110%、塩を45%の配合がお気に入りだ。
そして自家製の新鮮な煮干しで取った出汁で味噌汁を作ると、料亭にも負けないような美味しい味噌汁が出来上がる。(料亭で食べたことはないけど)
日本食が高いバリで毎日美味しい味噌汁が飲めるのは、とても贅沢なことなのだ。