HOW TO本で上手くなった試しがない
初心者の頃はサーフィンが上手くなりたい一心で HOW TO本を読み漁った。それをマスターすればサーフィンが上手くなると信じていた。
今のようにサーフィンの動画を無料で見れる時代ではなかったので、 HOW TO本は絶対的な存在だった。
しかし、約30年サーフィンしてきた経験上、HOW TO本を読んでサーフィンが上手くなった試しがない。だからサーフィン歴が長い割には、いつまで経っても下手なのだろう。
そして今では、HOW TO本で勉強してきたことを後悔している。人にもよるだろうけど、僕の場合は HOW TO本が上達を妨げる原因になってしまったようだ。
HOW TO本が上達を妨げる原因はいくつもある。まず、HOW TO本を鵜呑みにするあまり、そこで覚えた動きしかやらなくなることだ。
HOW TO本には正しいと定義された1つの動きしか書かれていない。それを信じ込んでしまうところに落とし穴がある。
サーフィンは他のスポーツに比べ不確定要素が非常に多い。波が大きかったり小さかったり、早かったり遅かったり、掘れてたり厚かったり、同じような波に見えても実際は1つ1つ違う。さらにサーファーのレベルやクセ、得意な動きや不得意な動きなども1人1人違う。
だから何通りもの動きがあって良いはずだ。むしろ刻々と変わる状況で臨機応変に対応するには、いろんな動きができなくてはならない。

型にハマった動きしかやらなくなる
HOW TO本で勉強していると、どんな状況だろうと本で覚えた動きだけをやろうとする。その時の状況に合わなくても型にハマった動きしかしない。
これではそれ以外の動きをやってみる機会を自ら放棄しているようなものだ。その結果、サーフィン歴は長くても経験が浅い状態に陥ってしまう。
もし HOW TO本を読まなかったら、自分でいろんな動きを試していたはずだ。その時の状況によってベストな動きを探しながら、型にハマることなく臨機応変にサーフィンしていたことだろう。バリのローカルが上手いのは、そんなふうに経験を積んでいるからだと思う。僕とローカルの大きく開いたレベルの差は、HOW TO本で勉強したかしないかに原点があるのではないだろうか。
HOW TO本のデメリットについてはまだまだ書き足りないが、長くなってしまうので次回にしよう。