掘れ上がる波の力を利用する
前回の記事で助走を使わないテイクオフについて書いたが、今回はその具体的なやり方である。
助走を使わないテイクオフとは、テイクオフ重視のボードからハイパフォーマンスボードに乗り換えたことで、パドリングやテイクオフが遅くなったハンデを克服するために身についた方法だ。
このテイクオフでは、波が割れる位置に合わせることが重要なポイントになる。割れる位置よりアウトからスピードをつけて助走を使うテイクオフと違い、割れる直前の掘れ上がる波の力を利用する。
割れる位置まではフルスピードでパドリングすることがあっても、割れる位置に合わせたらスピードを落とすかパドリングをやめ波を待ち構える。そして掘れ上がる波に押されるタイミングでグイっと強く掻くのだ。
この時に、助走を使うテイクオフのように早く搔いてしまうと波が押す力から逃げることになるので、早く掻くのではなく深くしっかり掻く。
すると波にドンっと押されるように一気に前に出る瞬間がある。この勢いを利用して波に乗るのだ。タイミングが良ければ2～3回掻くだけで乗ることができる。
素早く立てないといけない
ただし、このテイクオフを行うには素早く立てないといけない。波が掘れ上がってから割れるまでの僅かな間にテイクオフするので、もたついていたらパーリングしてしまう。
僕も素早く立つテイクオフが身についていたから、このテイクオフができるようになった。
素早く立つ方法については長くなってしまうので割愛するが、過去の記事で何度か書いている。
このテイクオフが身についてから、サーフィンが明らかに変わった。以前は助走のパドリングで消耗してしまい立った時には頭が真っ白になることもあったが、このテイクオフでは余裕が生まれライディングに集中できる。おまけに波がよく見えるようになりサーフィンがより楽しくなった。
サーフィンにおけるテイクオフの重要性を、改めて感じるのであった。
