友人の奥さんの実家へ
バリ島在住日本人の友人が、奥さんの実家へ帰省するということで、3泊4日の旅行に僕も同行することになった。
奥さんはバリ人で、実家はバリ島北部の町シガラジャだ。南部エリアに住む僕は、まだシガラジャへ行ったことがない。バリ島の北海岸には波が立たないので、行く機会がなかった。
当日、友人の家族や親戚を乗せた車で出発した。ウブドを通り過ぎキンタマーニを超える。
キンタマーニは28年ほど前に訪れたことがある。その時は、山と樹海と湖がまるで絵のように見える絶景に感動したものだ。
雨が多いキンタマーニもこの日は運良く晴れ、あの頃と変わらない大パノラマを見ることができた。
キンタマーニを超えるとつづら折りのカーブが続く。緩やかな南斜面と異なり、北斜面は急勾配だ。一気に標高を下げ、シガラジャに到着した。
奥さんの実家は海の近くにある。散歩がてら海を見に行くと、波がないはずのシガラジャの海に波が立ってる。非常に強い西風が吹いた影響で波が立ったようだ。
一見、腰くらいのサイズでサーフィンできそうな波もある。でもこの辺りは浅いリーフのようで、実際にサーフィンするのは厳しいだろう。

産地のアラックは格別に美味い
夕方になると実家には人が集まって来て、アラックの宴会が始まった。グラスに注がれたアラックを一気に飲み干し隣に回す、バリ島伝統の宴会だ。
アラックの産地はカランガサムが有名だが、ここシガラジャもアラックが盛んに作られているようだ。
回って来たアラックを飲み干すと、カーッと喉に効く。そして、その美味さに驚いた。南部エリアで売られているアラックとはまるで別物のようなクオリティだ。しかも値段は南部エリアの4分の1くらいで、原価かと思うような安さである。
十数人のバリ人が参加している宴会には中学生もいて、いい飲みっぷりをしている。そんなところはさすがバリ島だ。
そんな宴会が毎晩続き、グラスに注ぐ量も初日の倍くらいに増えていた。そして僕は完全に酔いつぶれた。
こんなふうに酔いつぶれたのは何年ぶりだろうか? それなのに全く頭が痛くならず翌朝にはケロッとしてる。これは原始的な製法で作られ、添加物が入ってないアラックだからこそだろう。
僕はこのアラックを買って帰り、果実酒を作ってみた。カットしたリンゴやデーツを入れ常温で半月ほど漬け込むと、飲みやすくて美味しい果実酒が完成した。在住日本人の間でも好評だ。
またシガラジャへ行く機会があればアラックを買って来て、色んな種類の果実酒を作ってみたいな。