果物を使った酒作りで危険なメタノールが発生?

超簡単な酒作り

米と麹とイースト菌を使って日本酒を作るようになり、もっと簡単に酒が作れないかと考えていた。
日本酒が出来る原理は米の澱粉を麹が糖に変え、その糖をイースト菌がアルコールに変える。単純に考えれば、糖分のある液体にイースト菌を混ぜれば酒になるはずだ。
だったらコーラでも作れるのではないかと思い、1リットルのコーラにぬるま湯で溶いた小さじ半分のドライイーストを混ぜてみた。炭酸が発生するので破裂しないようにペットボトルのキャップは緩めておき、たまにキャップを締めて振り混ぜる。そして常温で4日ほど置くと、コーラの甘さは無くなり酒になっていた。

いっそ砂糖水で作ってみようと思いつき、普段使ってるヤシ砂糖で試してみた。コーラの糖度に合わせ10パーセントの砂糖水を作り、ドライイーストを混ぜる。そして4日後、やはり酒になっていた。
こんなに簡単に酒が作れるのは嬉しいが、味は微妙である。もっと美味しい酒は出来ないかと考え、思いついたのは果物の糖分を使う方法だ。

マンゴーの酒を作ってみたら

バリ島はいろんな果物が安く買える。11月から12月頃はバリ島中で美味しいマンゴーが収穫され、1キロ10000ルピア位に値下がりする。それがどれほど安いかと言うと、1個30円位で買えるのだ。このマンゴーを使って酒を作ってみることにした。
熟したマンゴーの果肉を潰し、水を加えてイーストを混ぜる。糖度が足りないかもしれないので砂糖も足した。そして4日後に味見してみた。
フルーツカクテルのような美味しい味を期待していたが、マンゴーの甘さは完全に無くなりちょっと期待外れだった。それでも酒になっている。

マンゴーの酒を飲んでから少し経った頃、なんだかめまいがしてきた。それに体が少し麻痺してる感じだ。起きていられず横になって休んだ。
しばらくして体調は回復したが、マンゴーの酒が原因なのか気になって調べてみると、恐ろしい事実が判明した。
果物が発酵する過程でメタノールが発生することがあると言うのだ。バリ島にいるとメタノールと言う言葉はよく耳にする。毎年メタノール入りの酒を飲んで死者が出ているからだ。
僕はてっきり酒の原価を下げるために、メタノールという安い化学物質を混入させているのかと思っていた。それが酒作りの過程で発生するとは。まさか、それを自分が飲むことになろうとは。
大事に至らなくて良かった。大量に飲んでいたら危なかったかもしれない。果物を使った酒作りは、思わぬ危険が潜んでいると勉強になった。


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